ミトンブログ

岡山市中区高屋のパン屋、mittenのブログ。

配達の皆さま その2

「配達の皆さま」は

その年齢も様々。

 

大ベテランの「できる男!」もいれば、

入社して間もない

フレッシュな若手もいる。

 

話好きな海野君(仮名)は、

私たちよりも年下である。

 

少々抜けているところもあるが、

何とか頑張って営業をしようと

いつも話のネタを用意してくる辺り、

若いのに頼もしさを感じる。

 

その話のネタは、

パンのことだけに限らない。

 

いつもより、

元気がない(ように見える)海野君。

どうやら昨日、

配達でちょっとミスをしたため、

先輩にガツンと叱られたようである。

 

なるほど。

「そんな日もありますよ。」

まちのパン屋がフォローしたところで

大した慰めにならないのは

分かっている。

 

と思ったのも束の間、

彼は言った。

「でも泣いてる感じで謝ったら、

 何とか収まりました!」

 

ほう。

「さては、あまり反省してないな。」

という言葉は飲み込んでおいた。

 

ただ、

海野君はまだ知らないかもしれないが、

“外に出れば七人の敵がいる”

というのは本当である。

 

私の携帯電話の中には、

君を叱った先輩の電話番号が

ちゃんと入っている。

先ほどの君の言葉は、

筒抜けになる一歩手前。

 

もちろん、

わざわざそんなことはしない。

頑張って

何とか話そう話そうとする

彼もまた

面白いアイデアをくれる

大事な「配達の皆さま」の一人だ。

 

ときに

トークがアクセル全開に

なりすぎることもあるが、

それを楽しみにしている私たちもいる。

 

忙しそうな海野君、

今日も道路状況を気にしている。

西大寺の辺りは混んでますかね?」

西大寺は、

ここから少し離れた地域。

「うーん、どうでしょう。」

 

残念ながら、

早朝から店内でパンを作っている

私たちにはよく分からない。

「交通事情については、

 絶対、君の方がプロだよ!」

いつも心の中で

そう思っている。

 

そんな海野君。

今日もきっと

誰かのために

まちを走り回っているはずである。

 

つづく


f:id:breadmitten:20180425003531j:image