ミトンブログ

岡山市中区高屋のパン屋、mittenのブログ。

灯台、瓢箪、ラスク

灯台下暗しと言うべきか、

瓢箪から駒と言うべきか。

 

これは、ラスクの話。

 

ミトンがラスクを作り始めたのは、

今年始めのことだった。

パン屋の定番であるにもかかわらず、

店がオープンしてから、

随分と月日が経ってのことである。

 

それまで作らなかったのは、

ラスクなんてありきたりなモノは

なかなか売れないだろう、

と思っていたからだった。

 

その考えを変えてくれたのは、

ミトンの斜め向かいに店を構える

『懐古喫茶 桜海』さんである。

 

桜海さんと言えば、

高屋にお住まいの方なら誰もが知っている

おしゃれで可愛らしいお店。

 

豊富なメニューは

どれもボリューム満点で美味しい。

リピート必至の人気店。

また、

ランチやディナーのみならず、

奥様が作るケーキや焼菓子も評判である。

 

ミトンもオープン時から

ランチに、ディナーに、弁当に、

大変、お世話になっている。

 

その桜海さんが、

ある日、

ミトンのイギリスパンで

シュガーバターラスクを作ってくれたのだ。

 

ミトンではなく、

桜海さんのレジ横にラスクが並んでいる。

試しに食べてみた。

 

これが、思いのほか美味い。

カリッ、サクッ、ジュワッ。

一瞬でラスクのイメージを覆された。

 

パンを作っていながら、

なんともお恥ずかしい話である。

 

こんな美味しいものを

パン屋が作らない訳にはいかない。

即、商品化決定である。

 

イギリスパンの底知れぬポテンシャルは、

桜海さんに教えられた。

 

ラスクと言えば、

今年も作ることを高らかに宣言していた

広島東洋カープ応援パン。

その名も「カ舞吼揚げパン」。

試行錯誤の末、

「カ舞吼揚げラスク(ノンフライ)」

に行き着いた。

 

歌舞伎揚げ(関西ではぼんち揚げ)に

ヒントを得て、

だしを効かせた和風ラスクを作ってみた。

仕上げには、

カープの赤を意識して、

一味唐辛子をパラリ。

なお、

こちらはフランスパンのラスクとなっている。

 

今年も例によってスベる覚悟はできている。

たとえミトンがスベったとしても、

カープは躍動してくれると信じている。

 

いよいよ今日から、

日本一への最後の戦いが始まった。

試合に触れると止まらなくなるので、

カープの話はこの辺で。

 

話をラスクに戻す。

 

桜海さんのお陰で、

シュガーバターラスクに留まらず、

今回は「カ舞吼揚げラスク」も

作ることができた。

 

灯台下暗し。

瓢箪から駒

どちらも、アリである。

 

暗くて何も無いと思っていた灯台の下には、

たくさんの瓢箪があった。

その瓢箪の中から出てきたのは、

駒ではなく、

想像以上に美味しいラスク。

 

ミトンにとってラスクとは、

そういうものである。

 

まちのパン屋は、

今日もラスクを作る。

素敵な瓢箪を見つけてもらったことに

感謝をしながら。

 

とはいえ、

頭の中は、

明日もカープのことでいっぱいである。

カープ坊やのバットも

フランスパンにしたくなる公私混同状態。

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