ミトンブログ

岡山市中区高屋のパン屋、mittenのブログ。

クリスマスイヴに

今年もクリスマスが終わった。

猛ダッシュをかけた師走も、

ここで一息。

 

まちのパン屋のクリスマスは、

毎年1日遅れ。

12月26日は、

私たちにとってのクリスマスとなる。

 

という訳で、

今年のクリスマスを振り返り、

ここにメモしておきたい話を。

 

まちのパン屋は、

パンしか置いていないような、

コンビニでは無いと思っている。

お客さんの欲しい商品が常時ある保証も、

電子決済のスピード感も、

お決まりのマニュアルも、

まちのパン屋は持っていない。

 

コンビニに比べると

全ての便利さは、

明らかに劣っている。

 

けれども、

いや、だからこそ、

なんとなく、

お客さんと話すようになることがある。

それは、接客とは少し違ったもの。

言うならば、

パンを買うことの延長線上にある、

お客さんの生活を垣間見ることができる。

そんな感覚である。

 

さて、

クリスマスイヴの24日。

お昼前後にご来店した方は、

お気付きの通り、

店内には、

豆を挽いてコーヒーを淹れる男性がいた。

 

この方、

地元の方ならご存知、

『トスティーノコーヒー』さんの関係者。

 

今回、

『トスティーノコーヒー』さんに

ミトンオリジナルブレンド

コーヒー開発を依頼し、

この男性に

ドリップパックのパッケージデザイン等を

お願いした。

 

と言うと、

すごくビジネスライクに聞こえるが、

こうなったきっかけは、

もともとお客さんであった彼との

なんとなくの話からだった。

 

なんとなく、

彼がどんなお仕事をしているのかを耳にし、

なんとなく、

キャンプに合うコーヒーなるものを

作っていることを知った。

どうやら、

キャンプが好きなようである。

 

この情報に閃いたのは、

パン屋の方である。

 

まちのパン屋は、

キャンプが好きな人をもう一人

知っている。

 

その方は、

今年9月に完成したミトンのHPを

作成された女性。

 

と言うと、

これまたビジネスライクに聞こえるが、

こうなったきっかけは、

もともとお客さんだった彼女との

なんとなくの話からだった。

 

なんとなく、

彼女がキャンプに行く前に

パンを買いに来ていることが分かった。

なんとなく話すうちに、

彼女がキャンプ好きであることを知った。

彼女のお仕事を聞いたのは、

そのあとである。

 

実は、

この2人が出会ったら、

面白いかもしれないなと

最近思っていた。

(お互い既婚者なので、

  あくまでも仕事の話として。)

 

クリスマスイヴ、

店内でコーヒーを淹れる彼。

そこへ彼女がやってきたのは、

お昼を少し過ぎた頃だった。

 

現在、

彼女は岡山市から少し離れた場所に

住んでいる。

まさか今日、

ここで、

キャンプを愛する2人が

出会うことになるとは。

ものすごい偶然である。

 

さらにさらに、

昔、通っていた学校が

同じだったことに盛り上がる2人。

 

このとき、

2人の奇跡的な出会いに

パン屋もひそかに興奮していたのは、

ここだけの話である。

 

とはいえ今は、

SNSで簡単に人と人とが繋がる時代。

ひと昔前に比べれば、

偶然の出会いも

随分簡単になったのかもしれない。

 

しかし、

便利なコンビニの店内では、

この2人が出会うなんて

まず無かったのではないかと思う。

 

自分で言うのもなんだが、

まちのパン屋のアナログさも

ときには良いものである。

 

まちのパン屋は、

今日もなんとなく話す。

 

私たちは、

便利さだけが豊かさでは無いと思い、

お客さんにはレジに並んでいただく。

(そんなに長蛇の列にはならないが)

 

たとえば、

レジに並ぶあなたの前のお客さんが、

一言二言話すのを待ってほしい。

それは、ほんの数十秒である。

 

今回は、

その数十秒の積み重ねが、

クリスマスイヴに

素敵な出会いをさせてくれた。

 

年の瀬。

何かと忙しい12月。

コンビニの便利さは、

まちのパン屋には無い。

けれども、

どうか、焦らず待っていてほしい。

 

次は、あなたの番です。

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