ミトンブログ

岡山市中区高屋のパン屋、mittenのブログ。

落語

先日、落語を聞きに行ってきた。

岡山では初となる

春風亭一之輔独演会』。

彼は今、最も注目の噺家の一人。

期待した以上、

大満足の2時間半であった。

 

その内容を踏まえて、

ひとつ、思ったことがある。

 

それは、

噺家とパン屋は似ている、

ということ。

いや、

むしろ同業者と言っても過言ではない。

 

一般的に

古典落語というのは、

江戸時代から明治・大正時代に

作られた演目を指す。

噺家は、

時代に合わせ、

古典落語に様々なアレンジを加えて演じる。

 

パンにも同じようなところがある。

例えば、フランスパン。

現在のフランスパンの形が完成されたのは、

20世紀初めのこと。

その後、時代や地域のニーズに合わせ、

パン屋が様々な工夫を凝らしながら

作られ続けてきた。

 

 『芝浜』だって、『時そば』だって、

食パンだって、あんパンだって、

その基本的な形は変わることなく、

現在まで受け継がれ、

広く愛さるモノとなっている。

 

しかし、

基本的な形が変わらないということは、

ときに難しさにもなる。

 

「あー、またこの噺を演るのか。」

「あー、またこのパンか。」

 そう思われることも少なくない。

 

「いやいや、同じに見えても

 いつもとは違うんだよ!実は。」

 

ほんのちょっとずつ、

何かを変えながら、

たまには、原点に戻りながら、

少しずつ良くなっていると信じている。

 

まあ、そんなパン屋も噺家

何かと世間から

批評されがちなのは、

親近感を覚えるところである。

 

噺家とパン屋、

そんなに似ていると言うならば、

いつもブログを読んでくれる方に

その気持ちを形で示してみるのはどうだい。

 

ということで、

ささやかながら

期間限定で落語サービスをやります。

 

古典落語『饅頭こわい』の

オチにヒントを得て、

その名も「うまいコーヒーが1杯怖い。」

 

『饅頭こわい』 をご存じない方は、

Wikipedia等であらすじを

確認していただけるとスムーズです。

 

サービスの概要。

レジにて、

「コーヒーが怖い」と

言っていただいた方に

ホットコーヒーを1杯差し上げます。

いや、正確に言うならば、

押し付けます。

 

情感たっぷりに

「濃いコーヒーが1杯怖い!」

と言ってくだされば

より雰囲気が出ると思います。

 

しかし、

何も事情を知らない方が見ると

ヤバい人だと勘違いされかねません。

なので、

サラッと

「コーヒーが怖いんですけど。」

などと言っていただければOKです。

 

サービス期間。

3月8日から19日の営業日。

13時30分から閉店までの時間。

パンをお買い上げの方、

期間中お一人様一回限りでお願いします。

 

まちのパン屋は、

今日もパンを作る。

 

「パンが怖い」と言われると

全力で対応してしまうため、

どうかご遠慮願いたい。

 

広い心をお持ちの皆さま、

是非ともこの機会に

まちのパン屋の茶番にお付き合いください。

 

私たちも

「おいしいコーヒーを淹れるのが怖い。」


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