ミトンブログ

岡山市中区高屋のパン屋、mittenのブログ。

「文化する」パン屋

気付いたら「平成」が終わっていた。 昨年12月のこと。 おかげさまで 私たちのもとには 元気な男の子が誕生した。 初めての子育てと パン屋の両立は なかなか大変だ。 つい最近、 寝返りを打てるようになった彼に 新たな時代、 「令和」の幕開けなんて言って…

いつか贈る言葉

ずっと覚えている言葉がある。 私が高校生になって入部した ハンドボール部の先生が、 事あるごとに口にしていた言葉。 『飲水思源』 その意味は、 読んで字の如く、 「水を飲むときに、その源を思え」 ということ。 入部して間もなく、 私はこの言葉を教わ…

配達の皆さま その3

山中さん(仮名)との出会いには、 あまりいい印象がない。 あれは、 ミトンがオープンしてから 数ヵ月が経った頃。 店のことが 雑誌で取り上げられたことをきっかけに 突然、山中さんがやってきた。 「社長に行ってこい!と言われたので 飛び込みで来ました!…

配達の皆さま その2

「配達の皆さま」は その年齢も様々。 大ベテランの「できる男!」もいれば、 入社して間もない フレッシュな若手もいる。 話好きな海野君(仮名)は、 私たちよりも年下である。 少々抜けているところもあるが、 何とか頑張って営業をしようと いつも話のネタ…

配達の皆さま その1

雑誌やテレビで踊る 『パン特集!』の文字。 その中身はもちろん、 おしゃれな店内、 個性的なパン、 こだわりの素材。 どれも分かりやすく キラキラしている。 しかし、 どんなに腕のいいパン職人も どんなに高級な小麦粉も “彼ら”がいなければ、 その力を…

BRED

「BRED」 決してスペルミスではない。 私たちはパン屋。 看板にも書いてある。 見ての通り、 地味な看板である。 「もっと“パ・ン”って、 でっかく書かないと!」 「パンの絵とかあれば分かりやすいのに!」 確かに、 それもそうだなと思う。 もう少し、 目…

寝かす

パン屋のブログも やってみるもんだな。 そう思ったのは、 意外と近くに ファンがいることを知ったからである。 もちろん、 パンの話ではない。 日本のロックバンド、 『くるり』の話。 以前、 このブログでも少し 『くるり』について触れたことがある。 そ…

代打

3月は、 代打陣の活躍が目覚ましい。 というのは、 もちろんパン屋の話である。 この季節は、 特別な行事も多く、 また、新年度の準備など 何かと忙しい。 さらには、季節の変わり目。 体調も崩しやすく、 花粉症に悩まされ、 外出するのも億劫になる。 いつ…

3.11のあと

2011年3月11日、東日本大震災。 あれから7年の月日が流れた。 あのとき私は、 埼玉のパン屋で働いていた。 震災による埼玉の被害自体は、 それほど大きかったわけではない。 けれども、 その日から何気ない日常は激変した。 コンビニやスーパーの棚からは、 …

落語

先日、落語を聞きに行ってきた。 岡山では初となる 『春風亭一之輔独演会』。 彼は今、最も注目の噺家の一人。 期待した以上、 大満足の2時間半であった。 その内容を踏まえて、 ひとつ、思ったことがある。 それは、 噺家とパン屋は似ている、 ということ。…

昼休みの売店には、 まちのパン屋さんが パンを売りに来ていた。 私が、高校生のときの話である。 授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、 瞬く間に 売店の前には人だかりができる。 人気のパンは争奪戦。 売店のパン屋さんは大盛況。 連日のようにパンは売…

ブーム

平昌オリンピックで 各国の選手が躍動している。 メダルラッシュに沸き、 日本中が盛り上がったときにやってくるのが、 ◯◯フィーバー、 あるいは、◯◯ブームというヤツである。 今回は、 どんなブームが起こるのだろうか。 まちのパン屋も ブームには敏感だ。…

ショコラーデ

『日本は、義理チョコをやめよう』 そんな、某チョコレート会社の 新聞広告が話題になった。 これに対して 世間では賛否両論沸き起こっている。 私たちは、というと 正直、どちらでもよいと思っている。 というより、 どちらかというと私たちも バレンタイン…

名もなき家事

衝撃が走った。 電撃解任である。 というのは、 どこかの相撲協会の話ではない。 これは、 とある家庭の「家事」の話である。 数日前、 一人の女性が 食パンを手にレジへやってきた。 「主人が来たら、 もう買ったからと伝えてください。」 そう言われて、ハ…

捨てる

今年もまもなく、 恵方巻を食べる日がやってくる。 その翌日の2月4日、 近年大きく話題になるのが、 売れ残り、廃棄処分になる 大量の恵方巻である。 この問題に関しては、 パン屋としても見過ごせないモノがある。 パン屋にとって食品ロスは、 永遠の課題と…

ドドドォー!!!ナツ2

プロ野球のキャンプインが近づいている。 私たちが応援している 広島東洋カープの今季スローガンは 『ドドドォー!!!』である。 お察しの通り、 岡山でカープの話題を出しても、 ほぼゼロに等しい。 それでも今回は、 昨年の「ドドドォー!!!ナツ」に続…

究極の選択

冬、 受験シーズンである。 受験をはじめ、就職、結婚。 人生の節目と呼ばれるものには、 何かと「究極の選択」がつきものである。 Aにすべきか、Bにすべきか。 はたまた、 本当にAでいいのだろうか… しかし、 「究極の選択」とは言うものの、 それがやって…

パンの色気

突然だが、 おいしいパンには 色気があると思っている。 色気のあるパンとは、 つまり 見た目と味のギャップ。 派手さは無いけれど、 想像以上の奥深さがある。 長く愛されるパンには、 どこかしら色気がある。 毎日パンを作りながら、 そう思っている。 分…

クリスマスイヴに

今年もクリスマスが終わった。 猛ダッシュをかけた師走も、 ここで一息。 まちのパン屋のクリスマスは、 毎年1日遅れ。 12月26日は、 私たちにとってのクリスマスとなる。 という訳で、 今年のクリスマスを振り返り、 ここにメモしておきたい話を。 まちのパ…

クリスマスのイケメン

パン屋での買い物に 子供たちの「おねだり」は付きものである。 「あともう1個欲しい!」 「ジュース飲みたい!」 ご想像の通り、 ここで子供たちの希望が叶うことは、 なかなか難しい。 「1個だけって言ったでしょ!」 「お家にあるからダメ!」 特にレジ前…

シュトレン

「このパンが、 こんな値段だったらびっくりするわ!」 そう談笑しながら店を後にした 4人組のご婦人。 奇遇である。 私もそう思っていた。 それをはじめて目にした 6年前、そのときは。 値段が高いと言われたのは 他でもない、 知ってる人は知っている、 ク…

だだちゃ豆

歌には、不思議な力がある。 『だだちゃ豆のうた』を聴くと、 無性に「だだちゃ豆」が食べたくなる。 「だだちゃ豆」というのは、 山形県庄内地方の特産品である。 枝豆の仲間なのだが、 「だだ、茶豆」ではない。 正しくは「だだちゃ、豆」。 「だだちゃ」…

ドドドォー!!!ナツ

電話が鳴る。 「ドーナツ20個、 20分後くらいにいけるかな?」 電話の主は、 他ならぬ、 たまごドーナツの生みの親。 ミトンのたまごドーナツは、 この方の 「素朴でおいしいドーナツが食べたい」 とのリクエストから生まれた。 おかげさまで、 今年初めに登…

カメラよりも

まちのパン屋の前にある道路は、 小学校の通学路である。 そのため、 小学校で何かしらの催しがあると、 人通りがずいぶん多くなる。 運動会、参観日、 さらには選挙の投票日。 人通りが多くなると、 有難いことに パン屋を訪れるお客さんも多くなる。 今日…

懐かしの 〜その②〜

前回に続き、 東広島市西条町の話、 その②を。 お好み焼き屋を後にして、 もう一人、 近況報告をしたい人のもとを訪ねた。 その人は、 バイト先で一緒に働いていた おばちゃんである。 私は学生のとき、 とあるコンビニで パンを焼くアルバイトをしていた。 …

懐かしの 〜その①〜

昨日、 広島の坂町で開催された、 パンの講習会に参加してきた。 その講習会の話はさておき、 今回は帰りに立ち寄った、 思い出の東広島市西条町の話を。 その①は、 よく行っていたお好み焼き屋さん。 西条には 学生のとき、4年間住んでいた。 家のすぐ近く…

寝坊と服

最近、一気に寒くなってきた。 朝、布団から出るのが辛い季節だ。 パン屋は、朝が早い。 寒さに負けて、 ついつい、寝過ごしてしまうこともある。 そんな、パン屋の寝坊にまつわる話。 数年前、私がパン屋に勤めていた頃。 誰かが寝坊するという、 ちょっと…

座る人

気付いたら、 そこに座っている。 そんな、 玄米ロールの話を。 ミトンの店先にある ガーデンチェアとテーブル。 あまり使われることはないのだが、 たまにパンを食べていく人がいる。 しかし、 店に入る前に座るのは、 彼女ひとりである。 気付いたら、 そ…

また来年

楽しい1週間だった。 悔しさも、 もちろんあるが。 無論、カープの話である。 今日は、 パンの話は置いておく。 昨日、 広島東洋カープの 今シーズン全ての試合が終わった。 最後の試合は、 スタジアムで応援することができた。 気は済んだつもりだが、 悔し…

灯台、瓢箪、ラスク

灯台下暗しと言うべきか、 瓢箪から駒と言うべきか。 これは、ラスクの話。 ミトンがラスクを作り始めたのは、 今年始めのことだった。 パン屋の定番であるにもかかわらず、 店がオープンしてから、 随分と月日が経ってのことである。 それまで作らなかった…